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IODP E-News, January-February, 2006, Japanese Print E-mail
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提携活動に関するニュース
 


カスカディア大陸縁のガスハイドレート調査(第311 号掘削航海)による数々の発見の1つは、メタンガスが自然に漏れ出している「同心円状の熱水噴出孔」(bull's-eye vent )の名で知られる熱水噴出孔の下に広がる海底面の近くに、ガスハイドレートの厚い層があった事です。この噴出孔は、IODP の科学者がカスカディア大陸縁に沿って観察した多数の似たような場所のひとつですが、この大陸縁全体の歴史と関連させて理解する研究を始めています。

コロラド州デンバーにある米地質学研究所の共同主席研究員を務めるTimothy S. Collett 氏によると、「この第311 号掘削航海によって、ガスハイドレートの生成過程は、それまで予想されていたよりもずっと複雑だということがわかった」といいます。また、「今回の調査では、安定した層準の基底部の近くで、ひとつの地層の中から濃縮されたガスハイドレートは見つかりませんでした。その代わり、大部分の掘削地点から採取したコア標本全体にわたって、粒子の粗い砂の層から高い濃度のガスハイドレートが発見されました。」とも述べています。

掘削船「ジョイデス・レゾルーション」号に乗船した科学調査団は、37 日間にわたって1,200 メートル以上もの堆積物のコア標本を採取しました。ログ記録、写真、船上からの報告などを含むこの探査についての詳しい情報は、ウェブサイト(http://www.iodp.org/expeditions/ )を開いて、Cascadia Margins (カスカディア大陸縁)という項目をクリックしてご覧ください。


第3次超高速拡大海嶺調査団( IODP 第 312 号掘削航海)が 61 日間の航海を終えて 2005 年 12 月 28 日に帰港しました。採取された何十メートルものコアが船上で走査、分析されました。暫定的な調査結果の報告は、 1 月下旬に発表される予定です。

第 312 号掘削航海については、次号の E-New で詳しく取り上げます。第 312 号掘削航海中の 「ジョイデス・レゾルーション」号で撮影した写真は、ウェブサイト( http://iodp.tamu.edu/publicinfo )でご覧いただけます。これは、ジョイデス・レゾルーション最後のIODP 探査航海です(後述参照)。

 

Staff Scientist Neil Banerjee (center) explains sampling procedures to science party members (from left to right, front) Shusaka Yamazaki, Niigata University; Nobuo Hirano, Tohoku University; Stephanie Ingle, University of Hawaii at Manoa; Ani Tikku, Rensselaer Polytechnic Institute; and Doug Wilson, University of California, Santa Barbara.
スタッフ科学者の Neil Banerjee (中央)が科学調査団のメンバーにサンプリングの手順について説明する。前列左から山崎秀策(新潟大学)、平野伸夫 (東北大学)、 Stephanie Ingle (ハワイ大学マノア校)、 Ani Tikku (レンセリア工科大学)、 Doug Wilson (カリフォルニア大学サンタバーバラ校)。(写真提供: IODP-TAMU )



IODP では、ニュージャージー大陸縁探査を目的とした科学調査団への参加を希望する科学者を募集しています。この探査は、ECORD サイエンスオペレーター(ESO )により、来年実施される予定です。関連する専門知識を持つIODP 加盟国の科学者からの応募を歓迎します。

第313 号掘削航海は、周期変動の解析と層相モデルのテストを行うために、最も検出しやすく予算範囲内で調査できる3 地点から、つまり重要な意味を持つ古代の内側陸棚相の中にある若い大陸縁において、珪砕屑性連続層の連続コア採取と物理検層(ワイヤーラインロギング)測定の実施を目的としています。この調査におけるコアリング作業のねらいは、次の通りです。
  • 氷河性海面変動があったことで知られる時代において大規模な「寒冷化」(漸新世―新生代)が連続した時期を特定し、これらの連続の開始と終了の時期を含む不整合表面の時代と、氷河性海面変動の指標とされているd 18O (酸素安定同位体)から予測される海面低下の時代とを比較する。
  • 海面変動の周期変動、速度ならびにメカニズムを推定する。
  • 堆積環境、堆積物の組成、海面変動に対応した地層幾何形状の変化により、シーケンスの層位学的な層相モデル(例: 各期の堆積体)を評価する。
  • 将来のIODP 掘削作業に備えて、他の非活動的縁辺部における海面変動の影響と時期を調べるベースラインを提供する。
探査活動とその応用例に関する詳しい情報は、ウェブサイト
http://www.iodp.org/New-Jersey-margin-mission-specific-expedition/)でご覧ください。



海洋研究開発機構(JAMSTEC )の加藤康宏理事長が昨年暮に国内外のマスコミ関係者に発表したところによると、深海掘削船「ちきゅう」が試験運転に成功しました。2005 年の過去3 ヶ月に実施された2回の試験期間中に、「ちきゅう」では下記の設備の試験運転を行い、その性能の高さが確認されました。
1) 掘削機器とドリルパイプ移送機器操作
2) 泥水循環・泥水作成(混合:高密度の掘削泥水を含む)
3) 船位保持装置:ダイナミック・ポジショニング・システム(DPS )
4) ハイドロリックピストンコアリングシステム(HPCS )
5) 噴出防止装置操作

JAMSTEC はこの試験により、「ちきゅう」の安全でスムーズな運転を進めるための新たなデータが得られたと加藤氏は報告しています。また、「今後『ちきゅう』の母港を高知県の宿毛湾港に移し、そこでは特に船の位置保持装置を中心に、さらに試験を行う予定です。」と述べています。

「ちきゅう」の試験実施についてさらに詳しくは、ウェブサイト
http://www.iodp.org/Japan-reports-first-coring-operations-of-Chikyu/)でご覧ください。「ちきゅう」の写真もウェブサイト(http://www.iodp.org/chikyu-first-coring-operations/)でご覧になれます。


米国が提供し、20 年間にわたって海洋科学調査に従事してきた「ジョイデス・レゾルーション」号は、SODV (海洋科学掘削船)として全面改造を実施します。深海から採取するコア標本の質と掘削速度の向上を確実にするために改造された新型船は、同じ船とは思えないほどその姿を変え、船名も変更されます。新しいSODV は現在、18 週間にわたる設計段階に入っており、2007 年の半ばには科学掘削航海を始められるものと期待されています。

1985 年から2003 年まで国際海洋掘削計画(ODP )、さらに2003 年以降はIODP の探査船として活躍した全長470 フィート(143 メートル)の「ジョイデス・レゾルーション」号では、科学者が合計122 回の掘削航海を実施しました。

全米科学財団(NSF )でIODP プログラムディレクターを務めるJamie Allan 氏は言います。「増強された船は、科学調査掘削船としての効率と作業可能範囲が大きく向上します。IODP の科学者は、この生まれ変わった船を使えば、地球に関するわれわれの知識をますます広げていくことができるでしょう。」 なお、このSODV 改造計画には、全米科学財団から資金が提供されています。

改造計画の最新情報についてはウェブサイト(http://www.joialliance.org/MREFC)でご覧ください。



第310 号探査でタヒチ島沖から632 メートルのコアの採取に成功したのを受けて、同科学調査団は2006 年2 月13 日から最大30 日間にわたって、ブレーメン大学のコア貯蔵庫(BCR )で会議を開催します。この探査活動に関するニュースは、3 月1 日前後にBCR から発表されるものと思われます。詳しくはウェブサイト(http://www.iodp.org/news/ またはhttp://www.ecord.org/exp/tahiti/310.html)でご覧ください。


ヨーロッパ地球科学連合( EGU )の総会は、 2006 年 4 月 2 日から 7 日までオーストリアのウィーンで開催されます。 4 月 3 日からは、オーストリアセンターで EGU 展示会が開催されます。この 1 週間の会期中、 IODP 情報展示ブースを開設する 欧州海洋研究掘削コンソーシアム(ECORD )は、3 つの掘削プラットフォーム、掘削航海プログラムならびに各種出版物に関する情報を提供します。また、4 月4 日(火)の夕方には、ICDP との共催によるタウンホールミーティングも予定されています。正確な日時と場所についてはEGU プログラムでお確かめください。詳しくはウェブサイト(http://www.ecord.org)でご覧ください。

EGU に出席する IODP 科学者が注目すべきセッションのひとつに、セッション CL039 の「海洋および陸上の古気候記録― IODP と ICDP における研究の進展」があります。この主催者は Gerald Haug 、 Jochen Erbache 両氏です。 IODP の科学者が 国際陸上科学掘削計画(ICDP )と共同で開催する このシンポジウムでは、これら二つのプログラムによる古気候学の最新の研究成果について討論する予定です。この抄録をご希望の方は、ウェブサイト( http://www.cosis.net)をご覧ください。

EGU 展示会場のIODP ブース番号は8 番です。EGU に関する詳しい情報または参加登録は、ウェブサイト(http://meetings.copernicus.org/egu2006/index.html)へどうぞ。



デザインを一新したECORD 科学支援・諮問委員会(ESSAC )のウェブサイトがオープンしました。ウェブサイト(http://www.essac.ecord.org/index.php)を開いて、新しい構成とコンテンツを実際にご覧ください。このウェブサイトは特に、ESSAC 代表者や在欧の科学諮問組織(SAS )代表者を探すのに、またヨーロッパを拠点に活動する科学者でIODP 掘削航海への参加についてもっと詳しく知りたい方に役立ちます。このサイトはほかに、最新のIODP 掘削航海を紹介するウェブサイトにもリンクされています。


IODP の米国実施機関(USIO )は、「ジョイデス・レゾルーション」号の船上で12 日間にわたって行われる教師研修プログラムに教師13 人を選出し、第1回を実施しました。この教育社会貢献プログラムは、博物館や学校で働く米国の教師に、海洋科学掘削活動の厳しさを体験する機会を提供する目的で企画されたものです。全活動をすべて教師だけで行うプログラムとしては初の試みとなるこの研修航海では、カナダのブリティッシュコロンビア州ビクトリアからメキシコのアカプルコまでの航海中に、プレートテクニクス理論、海洋底拡大説、コア分析、気象記録などを含む海洋科学掘削の実践的な教育を中心に行い、その経験を教室や若い人々の間に広めてもらうのが狙いです。

The first all-educator expedition aboard the U.S. JOIDES Resolution sailed from Victoria, British Columbia, to Acapulco, Mexico, last fall, led by USIO  staff. “School of Rockâ€? participants included 10 middle and high school teachers, two museum educators, and a textbook consultant. Photo courtesy of IODP-TAMU.
すべて教師だけで行われた初の研修航海プログラムは昨秋、USIO スタッフの引率により、カナダのブリティッシュコロンビア州ビクトリアからメキシコのアカプルコまで航海した米国船「ジョイデス・レゾルーション」号の船上で行われました。この「スクール・オブ・ロック」には、中学/高校教師10 名、博物館学芸員2 名、教科書コンサルタント1 名が参加しました。 (写真提供: IODP-TAMU )


このプログラムのハイライトとして、 Jeff Fox (テキサス A &M 大学=TAMU IODP ディレクター)によるIODP の概要紹介、Mark Leckie (マサチューセッツ大学地球科学部、ODP 第165 回掘削航海「カリブ海洋史」「白亜紀/第三紀境界」の共同主席研究員)による微古生物学の講義、TAMU スタッフ科学者Adam Klaus が率いる長期間隙流体計測装置(CORK )に関するセッション(衛星中継)などのイベントがありました。

この教師研修プログラム「スクール・オブ・ロック」の模様はブログ
http://www.joilearning.org/schoolofrock/Blog.html)でご覧ください。
ゲストスピーカーと教師を含む参加者の一覧表はウェブサイト
http://www.joilearning.org/schoolofrock/Bios.html)でご覧になれます。


IODP は、海洋科学掘削に関する4 つのワークショップ(断層帯掘削、地下生物圏、21 世紀モホール、大陸分裂)の計画を開始しました。第一のワークショップ「断層帯掘削:グローバルな視点を育てる」は、2006 年5 月23 日から26 日まで日本で開催される予定です。国際陸上科学掘削計画(ICDP )と共同で開催されるこのワークショップは、掘削、サンプリング、テスト実施、孔内長期計測、または活断層に関する科学と技術を取り上げます。ミーティングには、数々の断層帯掘削プロジェクトに参加してきた科学者やエンジニアが集まって、調査結果、アイディア、様々な経験に関する情報を率直かつ詳細に交換して、所見の解釈、実験設計ならびに技術開発における協力関係と相乗効果の拡大を目指します。
IODP とICDP は、約60 人のワークショップ参加者の旅費と諸経費を援助します。参加に関心のある科学者とエンジニアは、オンラインで申し込んだ人の中から選抜されます。IODP 、ICDP の加盟国からの申込者が優先されますが、レベルの高い学生や若手科学者の席は確保します。このワークショップに関する詳細および申し込みについては、ウェブサイト(www.iodp.org/workshops)をご覧ください。応募の締め切りは2006 年2 月21 日です。


ライト! カメラ! アクション! IODP 国際計画管理法人(IODP-MI )は、教育と社会貢献プログラム全体を支援する目的で記録映画の制作に着手しました。初作品となる短編DVD は、ニューメキシコ技術大学で撮影された場面と、DSDP およびODP の「B ロール」(背景撮影)から制作されました。8 分の短編DVD 「IODP 入門」は、AGU 展示会のIODP ブースでデビューを飾りました。このビデオでは、IODP の概要を説明したあと、探査船「ちきゅう」とライザー掘削技術を紹介し、近く予定されている南海トラフ地震発生帯掘削計画(NanTroSEIZE )の背景を説明しています。

今後は、科学誌や一般誌で科学記事を書いているジャーナリストを主な配布対象として映像を制作します。既成のDVD のうち60 枚は、AGU に参加したジャーナリストが持ち帰りました。2007 年半ばまでには、既存の短編映像を編集して長編映画を作り、IODP の掘削船が2 隻とも参加する探査活動NanTroSEIZE 開始時のプロモーションに使う予定です。DVD の新作はウェブサイト(http://www.iodp.org/audiovisual/)でご覧ください。


IODP ウェブポータルは、昨年創設してから、コンテンツ、奥の深さ、アクセス数が大きく拡大してきました。まだこのウェブサイトをよく知らない方、または同僚や学生にそのコンテンツを紹介したい方のために、人気の高いページの簡単なリストを作りましたので、どうぞここからご覧ください。
  • 検索エンジン ― ホームページの右上隅にあります。 IODP 科学者、出版物、全国的なプログラムを探すことができます。複数の言語に対応しています。
  • 『サイエンティフィック・ドリリング』 ― 陸上、海洋双方の科学掘削について報告する IODP/ICDP の新しい学術誌です。定期購読、大量注文、編集者への質問など。ホームページ上で Scientific Publications (科学出版物)を選択してからこの雑誌を選択すると、最新号の内容がご覧いただけます(http://www.iodp.org/scientific-drilling/)。
  • IODP 活動記録 ―  共同主席研究員と科学調査団が共同で発表した IODP の公式掘削航海記録(ファン・デ・フーカ海域、第 301 号掘削航海)の初版を閲覧できます。ホームページ上で Scientific Publications (科学出版物)を選択してから、下のほうにスクロールして Proceedings (活動記録)をご覧ください(www.iodp.org/scientific-publications) 。
  • カレンダー ― 海洋掘削科学者にとって重要なプログラム、イベント、国際会議、ミーティングの予定が一目でわかります。トップナビバーからアクセスできます(www.iodp.org/events)。
  • 科学諮問組織( SAS ― トップナビバーからメニューをプルダウンすると、現在のパネル、ミーティング日程、パネルメンバーの全リストが閲覧できます(www.iodp.org/sas)。
  • ニュース/メディア ― 各団体のニュースレター、ニュースリリース、注目すべきメディア掲載記事、ストリーミングビデオや音声資料の視聴覚ライブラリへのリンクが掲載されています(www.iodp.org/news)。



発売前の記事内容を記者から見せてもらうことを期待してはいけません。それは、ジャーナリズムの倫理とプロフェッショナリズムに違反するからです。あるポイントが理解されていないのではないかと不安に思ったら、その記者に復唱させましょう。追加情報または説明が必要になったら、いつでも電話または電子メールで問い合わせてもらうように記者に強く要求しましょう。それでも心配なら、記事を書いた記者に、自分の発言部分だけ電話で読みあげてもらいましょう。

情報出所: カレッジ・オブ・ニュージャージー
そのほかのヒントはこちらで: http://www.tcnj.edu/~ccr/news/mediatips.html


Integrated Ocean Drilling Program - Management International
IODP メールマガジン( IODP E-News )は、統合国際深海掘削計画マネジメントインターナショナル( IODP-MI )が隔月で発行しています。本誌は統合国際深海掘削計画( IODP )に代わって IODP-MI が制作・頒布するもので、全米科学財団( NSF )、日本の文部科学省、ならびに他の参加各国の後援を受けています。本誌の内容は、 NSF 契約第 OCE-0432224 号により支援を受けた研究調査に基づいたものです。