ACEX乗船科学者による新しい研究成果をNature が掲載 IODP第302次研究航海の北極海掘削航海(Arctic Coring Expedition 302(ACEX))の乗船研究
者による研究成果がNature 6月21日号に掲載された。レポートによれば、北極海は1,750万年前
の中新世初期の後半に陸水塊(湖)から酸素の乏しい河口海へと、つぎに酸素の豊富な大洋へと
変化したとのことである。北極の状態がこのように変化した原因は、フラム海峡が幅と深度を増
し、高塩分の北大西洋の海水が北極海に流れ込む通路となったことであるという。
同論文の著者は、Martin Jakobsson(ストックホルム大学)、Jan Backman(ストックホルム大学)、
Bert Rudels(フィンランド国立海洋研究所)、Jonas Nycander(ストックホルム大学)、Martin Frank
(ライプニッツ海洋科学研究所、IFM-GEOMAR)、Larry Mayer(ニューハンプシャー大学)、Wilfried
Jokat(アルフレッドウェゲナー極域海洋研究所)、Francesca Sangiorgi(ユトレヒト大学)、Matthew
O’Regan(ロードアイランド大学)、Henk Brinkhuis(ユトレヒト大学)、John King(ロードアイランド
大学)、およびKathryn Moran(ロードアイランド大学)の各氏。
IODP第313次研究航海ニュージャージー大陸棚浅海掘削(New Jersey Shallow Shelf
Expedition 313)が、2007年度中には開始されないこととなった。予定された特定任務掘削船が利
用できるようになるまでに時間がかかることになったためで、ESO (ECORD Science Operator)は
2007年度の研究航海の実施を見送った。
当初予定していた5月半ばの開始日が数回先送りされたことを受け、掘削航海チームは7月半ば
の開始に向けて準備を進めていた。しかし、掘削船の遅延が発生したことにより、掘削作業が9、
10、11月へとさらに先送りされることとなった。この時期になると、気象条件の悪化に伴って、掘削
船への物資供給、休止期間などの問題が発生し、人員輸送上と安全上の懸念が増大する。ESO
は、この先の掘削航海について近く関係者各位との協議に入る予定。本研究航海の最新情報へ
のリンクはこちら:
www.eso.ecord.org/expeditions/313/313.htm 。
海洋コアコンプレックスの研究成果をGeology が掲載 「Oceanic core complexes and crustal accretion at slow-spreading ridges」という新たな科学論
文がGeologyの7月号に掲載された。同論文は、IODP第304/305次研究航海(Oceanic Core
Complex Expeditions)の乗船科学者が執筆したもので、低速および超低速拡大海嶺における、
溶岩の乏しい領域内での海洋コアコンプレックスの形成と経過との修正モデルについて論じてい
る。著者は、第305次研究航海共同首席研究者のBenoit Ildefonse(フランス国立科学研究センタ
ー(CNRS)、モンペリエ第二大学)、第304次研究航海共同首席研究者のDonna Blackman(スク
リップス海洋学研究所)、第304次研究航海共同首席研究者のBarbara John(ワイオミング大
学)、第305次研究航海共同首席研究者のYasuhiko Ohara(海上保安庁海洋情報部)、TAMU
(Texas A & M University)スタッフサイエンティストのJay Miller、英カーディフ大学のChris
MacLeod の各氏とIODP掘削航海304/305乗船研究者(IODP Expeditions 304/305 Science
Party)。
乗船を希望する科学者は、該当するIODPプログラムメンバーオフィス(PMO、
www.iodp.org/program-member-offices ) に2007年8月31日必着で応募書類を提出すること。
つぎの専門分野から該当するものを選び、応募書類に明記すること: 堆積学、有機・無機地球化
学(オパール続成作用など)、層序対比、微古生物学(浮遊性有孔虫および底生有孔虫、石灰質
ナンノ化石、珪藻類、放散虫類、渦鞭毛虫類)、物性学、古地磁気学。米国IODP実施機関では、
各プログラムメンバーオフィスからの推薦応募を10月に受付ける予定。米国IODP実施機関では、
首席研究者および各PMOと協力して人選に当たる予定。
Google Earthに科学掘削の地点を表示できるようになった。今回、DSDP (Deep Sea Drilling
Project)、ODP (Ocean Drilling Program)およびIODPで掘削されたすべての孔の位置を閲覧でき
るようになったほか、既存の掘削地点に対応するリンクを選ぶと、新たに電子化した科学出版物
に飛ぶようになった。掘削候補地についても、情報が更新され、IODP事前調査データバンク
(IODP Site Survey Data Bank)へのリンクが張られた。マウスを動かして掘削孔の位置に合わせ
ると、リンクが表示され、それぞれオンラインデータに辿り着けるようになっている。デフォルト設定
では、掘削孔が表示される。Proposed Sites(候補地)またはSite Survey Data(事前調査データ)
をGoogle Earthの左方メニューから選択すると、追加情報が表示される(データ量が多いので、
Google Earthが反応するまで最大で30秒かかる)。しばらく待って、読み込みが済めば、スムーズ
に操作できる。掘削孔のプレゼンテーションを制作したIODPデータマネージャのBernard Miville氏
によれば、「なるべく高速なインターネット回線で開いてほしい」とのこと。
7月30日から8月3日にかけてバンコクで開催されるAOGS (Asia Oceanic Geosciences Society) 大会では、IODP展示ブースA18-19においてデモンストレーションを行う予定。
米国IODP実施機関(USIO)の機関会員であるJoint Oceanographic Institutions(JOI)と全米海
洋研究教育機関連合(Consortium for Oceanographic Research and Education(CORE))は、互
いのスタッフと事業を統合し、新しい組織となる。新組織の名称は、Consortium for Ocean
Leadership。新組織の公式な発足は、来年度初めとなる見込み。先日、新組織の評議員・役員会
が選出された。新コンソーシアムは、海洋研究者と海洋教育者の意見を総合し、海洋科学会と米
国連邦政府との主要接点としての機能を担う。この組織のプログラムマネージャ、システムエンジ
ニア、政策専門家、および教育者は、引き続き、海洋調査プログラムおよび海洋教育プログラムを
運営する一方、海洋政策と海洋調査・海洋教育への連邦政府資金との健全な確保を要求してい
く。さらに詳しい情報へのリンクはこちら:
www.joiscience.org/node/796 。
IODP日本実施機関である海洋研究開発機構地球深部探査センター(CDEX/JAMSTEC)、高知
コアセンター、日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)および地球内部変動研究センター
(IFREE/JAMSTEC)は、5月末に千葉県で開催された日本地球惑星科学連合大会でIODPの展示
ブースを出展、活動を紹介した。IODPブースの一番の目玉として、南海トラフ地震発生帯掘削計
画(NanTroSEIZE)の木下正高、芦寿一郎の両首席研究者によるミニレクチャーが行われ、今年9
月から開始される掘削航海と科学目的が紹介された。大会後には、J-DESC後援で、日本人乗船
科学者がIODP掘削航海307、308、310および311の成果についてプレゼンテーションを行った。
IODP-JapanによるJPGUのIODPブース
ここ数カ月、IODPブレーメンコア保管庫(Bremen Core Repository(BCR))には、多くの来場者
が訪れた。たとえば、地元ラジオ局では、子供向け番組の一つとして、深海探査を紹介し、番組中
に子供たちに電話で参加してもらい、ブレーメン大学の保管庫とMARUMビルディングとを案内付
きで見学する権利をプレゼントした。最近は、在ベルリン各国大使館の科学顧問一行の20名であ
る。この訪問は、ドイツ連邦研究技術省による見学旅程の一部として組まれたもの。軽食付き歓
迎会の後、MARUM所長のGerold Wefer教授より、MARUMで目下進行中の研究についてプレゼ
ンテーションが行われた。続いて、統合国際海洋掘削計画(Integrated Ocean Drilling Program
(IODP))におけるブレーメン大学の関与について、ESOのキュレーション・ラボマネージャである
Ursula R?hl氏が概要を説明した。プログラムの締めくくりに、IODPブレーメンコア保管庫を見学。
BCRのさらに詳しい情報については、つぎのリンクからオンラインで入手可能:
http://www.iodp.org/repositories/ 。
BCR訪問中の在ベルリン大使館科学参事官にコアサンプルを見せ るUrsula Röhl氏
IODP Japanでは、今夏、最新の参加型アウトリーチプログラムSand for Studentsの野外授業を
紀伊半島の紀ノ川と有田川で開催する。
英語版のウェブサイトも立ち上った。ウェブサイトには、フィールドワーカーの採集した砂のデー
タ、プログラムの目的、テキストがあり、一粒の砂から地球について学べるようになっている。本プ
ログラムの詳細と応募書類については、つぎのリンクからオンラインで入手可能:
www.sand4students.net 。
米国IODP実施機関では、教師向けの教育プログラムTeacher-At-Seaを実施中。コロラド州
Meeker出身のRory Wilson氏が調査船Roger Revelle号に乗船している。Wilson氏は、6月18日か
ら8月6日にかけて事前調査の一員としてインド洋を航海中。Wilson氏の日記ブログと写真の閲
覧、質問、航海に関する情報収集はこちら:
www.joilearning.org/sea90e 。
IODP DRILLSでは、研究活動を旺盛に行っている学術機関や教育機関にIODP DRILLS講演シ
リーズを案内しています。DRILLS講師の派遣は、IODPが全面的に後援しています。オンライン申
し込みはこちらから:
www.iodp.org/index.php?option=com_facileforms&Itemid=945 .
IODP-MIが開催地を決定し、連絡いたします。
以下の各講師が、それぞれの大陸を担当し、専門分野について講義します:
Bo Barker Jørgensen。マックスプランク海洋微生物学研究所(Max Planck Institute for
Marine Microbiology(ドイツ))。北米で講義を行う。The Deep Subseafloor Biosphere:
Discovering the Largest Living Community on Earth(深海底地下生物圏:地球最大の生物コ
ミュニティの発見)という演題でプレゼンテーションを行う。
Ted Moore。ミシガン大学。アジアで講義を行う。The Warm Earth We Know(我々の知る温
暖な地球)という演題でプレゼンテーションを行う。
巽 好幸。独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部変動研究センター
(IFREE/JAMSTEC)プログラムディレクター。欧州で講義を行う。Drilling into the Memory of
Earth(掘削によって地球の記憶を探る)という演題でプレゼンテーションを行う。
詳細については、
www.iodp.org/drills を参照、または
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まで。
先日、ユトレヒト大学古気候学チームが2007年学術賞を受賞したとの発表をオランダ文部科学
大臣が行った。Tine Beneker氏らの研究チームには、北極海掘削航海(Arctic Coring Expedition
(ACEX))乗船研究者のHenk Brinkhuis氏、Luc Lourens氏およびAppy Sluijs氏が参加。ユトレヒト
大チームは、学童向けにメディア横断的通信プロジェクトを展開した。同プロジェクトは、過去の気
候変動事象について説明し、それらが今日の温室効果と二酸化炭素排出量にどう関係するのか
について説明したものである。同賞の賞金10万ユーロは、映画、DVDおよびネット配信番組を始
めとする構想全体の実施資金として活用される予定。暁新世/始新世境界温暖化極大イベント
(PETM)の「温室期地球」とその結果に関する新しい知見をオランダの高校生に紹介する。「温室
期地球」DVDには、IODPでの掘削作業、ウェブサイト、全国映画コンクールの様子が収められて
いる。学校対抗コンクールの成績優秀者は、来夏、Climate Change Collegeの一環として、スバ
ルバールでの実際の掘削航海に参加できる。この新しい教育プログラムは、今後オランダでの必
修科学カリキュラムの一部となる予定。
詳細については、ESSAC代表Henk Brinkhuis氏まで:
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。ユトレヒト大チームの動画クリップのサンプルはこちら:
www.bio.uu.nl/~palaeo/people/Leonard/acadJaarprijs/cnt_acadjaarprijs.htm 。
IODP-MIから、
IODP E-News をお届けするようになってから2年が過ぎました。皆様からのせく
ださい。評価できるところ、そうでないところについて、数分間アンケートにお付き合いください。ア
ンケートへのリンクは
こちら です(質問は5つです)。
7月30日~8月3日— アジアオセアニア地球科学学会(AOGS)バンコク大会。
IODPは、展示フロアーのブースA18-19に出展予定。JAMSTECとの共同展示を
行い、K-IODP(韓国)およびIODP-Chinaも参加する。
8月15日~16日— IODPトピック別シンポジウム「北大西洋と北極圏における気
候変動性(North Atlantic & Arctic Climate Variability)」をブレーメン大学(ドイツ)
にて開催。登録受付中。リンク:
www.iodp.org/topical-symposium 宿泊の手
配は出席者自身が行うこと(7月3日以後)。
8月31日—ベーリング海掘削航海参加申し込み締切り。
9月6日—米国地球物理学連合(AGU)秋季大会(サンフランシスコ、12月10日
~14日)アブストラクト提出期限(アブストラクト提出専用ツールは、7月20日配布
開始予定)。
10月8日~10日—ワークショップ「掘削によって長期海抜変化とその影響を読
み解く(Drilling to Decipher Long-term Sea-level Changes and Effects)」をユタ州
ソルトレークシティにて開催。Craig Fulthorpe、Ken Miller、Andre Droxler、Gilbert
Camoin、Stephen Hesselboの各氏が共同呼び掛け人。出席希望の場合、こちら
のリンクを参照:
www.joiscience.org/sealevel .
10月21日~24日—過度のエネルギー制限下における微生物に関する国際ワー
クショップ(International Workshop on Microbial Life Under Extreme Energy
Limitation)を、Bo Barker Jørgensen、Tori Hoehlerの両氏の呼び掛けにより、
Aarhus大学(デンマーク)にて開催。微生物生体エネルギー論に関する画期的な
レビュー30周年を記念し、Rudolf K. Thauer教授自身が開会講演。登録期間を延
長。リンク:
http://bio.au.dk/microenergy .
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IODP E-News は統合国際深海掘削計画マネジメントインターナショナル (Integrated Ocean Drilling Program Management International(IODPMI)) の隔月発行メールニュースです。本誌は、統合国際深海掘削計画 としてIODP-MIが作成・配信しており、全米科学財団(U.S. National Science Foundation(NSF))、日本国文部科学省、および他の参加国の 支援を受けています。本誌は、NSF契約第OCE-0432224号による助成 を受けています。